ノウハウ

成功しているWebマーケティングの予算編成

始めに

成果を上げていないWeb担当として、ある種の目標を目指すときの予算編成は一つのハードルだと思います。何しろ成功経験が無いため、どのレベルの予算規模が必要になるのかエビデンスが無い状態ですよね。もちろん業界、企業、サービスにより、施策規模と実施費用は異なりますので一概に言えません。しかしこれまで、私が運用してきた経験から成功している企業には一定の予算法則があるように感じています。

そこで「成功しているWebマーケティングの予算編成」では、この予算編成の一定の法則に関してまとめてみました。

前提として、利用できるマーケティング予算の上限を確認

ビジネスとして当たり前の事ですが、企業規模、サービス規模、利益規模などにより利用できるマーケティング予算は限られます。短期的に赤字を覚悟して成長戦略を設定してマーケティング予算を増やすこともありますが、それでも長期的には、身の丈にあった総予算で利益を出す必要があります。つまり

収入ー製造系コストー営業系コストー管理系コスト=利益

この「利益」の範囲でマーケティング予算を設定することになります。さらに言えば利益を契約数、商品数で割れば、1契約、1商品あたりに活用できる金額もわかります。このように最初に最大限使えるマーケティング予算を確認してから予算配分を考えることになります。

マーケティング予算のWeb予算の考え方

マーケティング予算は多岐にわたります。店頭POPやカタログ等の販促ツール制作費、新聞/雑誌/TVなどの宣伝費、キャンペーンやイベントなどなど。これらは省略させて頂き、Web予算のみ考察してみます。

最近は少なくなりましたが、まだまだ「Webはリニューアル」に大規模な予算を付けて、しかし運用にはあまりかけずに放置という企業があ存在します。特にBtoB企業はこうした傾向にありますが、こうした考え方の企業は「Webでの成功体験がない」「カタログ機能で十分」などの勿体ない理由で、結果的に放置しています。

しかしBtoBであってもWebはマーケティング&セールスの主戦場です。以下をご覧ください。

BtoB企業の取引担当者の74%がWebで調査を始め、57%はWebサイトで候補企業を絞り込んでしまいます。こうした実態からWebで成果出せない企業はいずれ衰退します。

ではどうすればよいか。重要な施策は運用です。PDCAをしっかり回しながら改善を続け、効果を求め続けることで成果が上がり、そして一定期間で目標に到達します。

では運用の予算をどのように考えるかですが、自社の目標とそれを実現するための施策をベースに予算を設定することも重要ですが、成功している他社の予算編成を参考にするのも一つの方法です。そんなわけで、いよいよ具体的な予算編成について考えてみましょう。

リニューアル予算と年間運用予算はほぼ同規模が理想

非常に大雑把ですが、私が見る限り「リニューアル予算」と同規模の「年間運用予算」を持っている企業はWebで成果を上げています。強いて言えばリニューアル予算を削ってでも運用予算を確保すべきだと考えています。

成功しているWebサイトの、リニューアル予算を1、運用予算が1の割合は、概ねどの企業でも当てはまっています。また予算の詳細を見るとコンテンツマーケティングを中心とするWeb改善、SEO対策、そしてリスティング広告の割り合いが1対1対1となっています。もちろん広告が少ない状態で成果を上げるのが理想ですが、安定的にコンバージョンを確保するためには、リスティング広告の出稿もバランスよく行うことが必要だと考えます。

まとめ

重要な点は、効果を上げるには一定規模の運用アクションが必要だという事と、そのアクションとしてはWeb改善とSEO,広告露出のバランスが重要だという事です。

企業によりもちろん異なりますが、迷った場合は、最初の編成案としてここから始めてみて、トライ&エラーを繰り返し、自社に最適な施策バランスと予算編成を見つけるのも手段だと思います。

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