失敗しないマーケティングオートメーション。導入で決まるその後の成否。
マーケティングオートメーションの結果が出ない!?
マーケティングオートメーションも大企業の導入が進み、さらに中小企業も進みつつあります。しかしこうした企業で規模は関係なく運用がうまくいっていないケースが多々見受けられます。相談を受けて状況や運用方法を確認すると、ほぼ同じ状況が見えてきます。その一例として以下の様な問題があげられます。
- メール送付ツール、問合せ対応レベルでしか使ってない
- 入り口としての「見込み客」が増やせない
- 「見込み客」育成が思うように進まない
- コンバージョンが高まらない
- 営業効果が見えてこない。また営業が使わない
他にも多々ありますが、整理すると概ね「使いこなせない」「運用が回らない」「売上効果があがらない」という3つの理由となるようです。
導入検討時の進め方で、失敗は防げる
マーケティングオートメーションの導入が上手くいっていない企業は根本原因があります。それは導入時点でしっかりした検討、社内体制、予算編成、そして運用ガイドラインを作らなかったことに原因があります。案外と「自動的にOne To Oneコミュニケーションが出来るから」「Web訪問者の育成ができるらしい」「コンバージョン効果があがる」などの安直なメリットだけに興味が沸いて導入している様に思います。
導入時点で慎重に検討準備を進めれば、起きない問題です。その検討事項は以下の通りです。
大きくは自社の課題、問題に関する確認と解決が必要です。例えば以下の3つに集約されます。
- ビジネスモデルの確認
- 企業内課題の確認
- 部内課題の確認
では、一つ一つをさらに掘り下げてみてみましょう。
ビジネスモデルの確認
マーケティングオートメーションはビジネスモデルにより導入効果が出やすく高いもの、また導入効果が低く効果が見えない場合があります。この点をまずはしっかりと確認しましょう。
高額高収益のビジネスモデルか?
マーケティングオートメーションに向いていないビジネスモデルがあります。簡単に言うと「薄利多売なサービス」には向いていません。マーケティングオートメーションの導入と運用には少なからず予算投資が発生するため利益がさらに少なくなる可能性があります。一概に言えませんが事業計画書を元に損益分岐点を見ながら慎重に検討すべきです。
購入の検討に時間を要するサービスか?
そもそもマーケティングオートメーションは「自動マーケティング&営業代行システム」のような性格があります。つまりお客様を説得し、興味を沸かせ不安をひとつひとつ解消する営業行為をシステムが行います。そのため「検討ハードルがあり、時間がかかる」サービスに力を発揮します。「検討が簡単」で情報を提供する営業マンが必要ないサービスには向いていません。
企業内課題の確認
企業文化やサービス、組織として導入効果が出やすい場合と、出にくい場合があります。また組織体制、事業モデルを変える必要も出てきます。そうした事を丁寧に確認していきましょう。
リーンスタートで実施できるか?
リーンスタートとは「最小限でスタートする」という意味です。これは企業の性質、サービス規模によりますが、サービスが複数ありそのサービスに必要な企業組織も複数ある場合、全社ミッションでマーケティングオートメーションを活用すると運用が回らなくる場合が多くあります。
まずはマーケティングオートメーションに向いているサービス、さらに営業部門が興味を持っている組織から始めるのが得策です。なぜならばマーケティングオートメーション導入してから、実際に成功するシナリオを見いだすまでに試行錯誤、トライ&アンドエラーを長期に繰り返すからです。全社で始めてしまうと「失敗が許されない。しかも短期で成果を求められる。しかも数が多くて運用が回らなくなる」という事態になります。これは避けた方が良いと思います。
初めは1サービス、1営業部門で柔軟な試行錯誤とトライ&アンドエラーを繰り返し成功事例を作ることです。成功事例を作ると、どのような運用が必要かコツがわかってきます。そして1つ成功事例を作れば、次からは短期で成功する道が描けます。また社内では成功事例の評判から、社員の興味や「成功する」という確信が生まれ全循環で成功が広がります。
営業フロー&営業ツールが確立できているか?
前記の通りマーケティングオートメーションは「自動マーケティング&営業代行システム」です。つまり「このお客さまには、こうした話の進め方で、この営業ツールや提案書を随時持っていくことで契約に到達する」という営業フローと&営業ツールがある企業、組織ならマーケティングオートメーションはかなり使い勝手が良いものとなります。逆にあまりそうした営業フローもツールもない業態の場合は効果も上がらない可能性があります。
各部の協力が可能か?
マーケティング部門(宣伝、販促、販売支援部)とセールス部門(営業部)の協力がなければシステム導入の意味がありません。繰り返し言うとマーケティングオートメーションは「自動マーケティング&営業代行システム」であるため、この2部門の親密な関係が必要です。さらに言えば情報共有の体制、相互の目的と目標などが合致する必要があり、組織再編も検討すべき事項です。
部内課題の確認
Googleアナリティクスを活用してきたか?
いきなりベタな作業ベースの話ですが実は最も重要な事です。日本ではWebを活用している企業、放置している企業の両極だと思います。その一つのリトマス試験紙がGooglアナリティクスの活用です。Googlアナリティクスを定期的に活用し改善を図ってこなかった企業はマーケティングオートメーションを導入しても失敗します。
もし御社がこうした企業ならマーケティングオートメーションを導入する前にやるべきことがあります。まずは1年間Googlアナリティクスを定期的に活用しPDCAを回してWebを改善し活性化しましょう。そして一年後にマーケティングオートメーションを導入すべきです。
コンテンツの制作が可能か?
マーケティングオートメーションの育成は、コンテンツを主体に行われます。Web上のコンテンツはもちろんメールなども含まれます。そのコンテンツは専門性を極め、有益である必要があります。つまりその原稿作成は本来は社内で行われるのが理想です。もちろん外部発注してもかまいませんが、恐らくノウハウ情報は圧倒的に社内人員の方が多いでしょう。そのため業務の一環として社内協力を得たうえで制作フローを構築すべきです。
運用体制が構築できるか?
上記の二つの作業の集約ではありますが、結果としてマーケティングオートメーションは
- 有益なコンテンツを作り続ける
- シナリオを作成&改善し続ける
- 運用ではPDCAをメリハリをもって回し続ける
この3点が重要です。片手間に「見る」程度では成果がでません。この覚悟をもって体制を築くことができれば成功は100%保証されたと言えます。
初期導入時はマーケティングオートメーションベンダーと直接コンタクトを避ける
ここまで説明をさせて頂きました初期導入時の注意点ですが、マーケティングオートメーションベンダーと直接コンタクトしてしまうと検討がおろそかになる可能性があります。弊社も含めて外部のコンサルに頼ったほうが賢明だと思います。
重要な点は、導入時点でしっかりした検討、社内体制、予算編成、そして運用ガイドラインを作ることを忘れずに。。。